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皆川明氏をお迎えして

3 時間前
読了時間: 5分

10月3日から開催されている特別展「絵本の旅人・3人」展も残すところあとわずか。

11月1日の講演会には「mina perhonen」設立者でありデザイナーの皆川明氏をお迎えすることができました。

皆川氏には、「空想の喜び、旅するように絵本と出会う」という今回の企画展タイトルにあるようにご自身のものづくりへの創造性と絵本の世界で旅をしてきた3人の絵本作りに対する思いに近いものを感じており、これまでにぜひともお話を聞いてみたいと思っていました。

念願が叶い本当に夢のようです。



皆川氏の講演会が小松であることを知り、当然のことながら多くの参加の申し込みがありました。

定員100名のところ応募者多数のため抽選となってしまう結果に。

抽選から漏れてしまった皆さま、本当にごめんなさい。

遠方からお越しくださる方々もたくさんおられました。



パリからお戻りになったばかりのお忙しい時に小松へお越しくださった皆川さん。

講演会前のわずかな時間の合間に絵本館の施設をご覧になっていただきました。



そうこうしている間に会場は参加者でいっぱいになりました。

今回の絵本館での講演会は椅子を用いることができずに座布団の上での聴講になりました。

皆川さんの登壇まであと少し。

皆さん、今か今かと皆川さんを待ちます。

 


司会者から開会の挨拶があり、その後、皆川さんが登壇されました。

絵本は哲学書みたいと仰っており、ご自身の体験では幼いころお姉さんからよく絵本を読んでもらっていたそうです。

その絵本はなんと『三びきのやぎのがらがらどん』。

そういえば皆川さんのテキスタイルにもトロルがでてきますね。

講演はご自身がデザインされたテキスタイルを紹介しながら進んでいきます。

それぞれにとても思いが込められておりその発想の素晴らしさに驚いてしまいます。

講演内容はとてもすべてはご紹介できないのでかいつまんで少しだけ。



こちらの[oasis]というテキスタイルは切り絵で水色のドットが作られているとのこと。

本当に手がかかっていますね。

鉛筆でドローイングされた馬の中にはよく見ると一匹だけ小鳥が頭の上に乗っている馬がいます。

その馬は自分が周囲から注目されていると思っているのだけれども実はみんなは小鳥をみていただけという勘違いの物語があるようで、皆川さんは、うぬぼれず普通でいることが大切と仰っていました。深いです。



こちらは[sleeping flower]というテキスタイルです。

迷彩柄の布に鋏を入れてカットすると中から白い花があらわれるというもの。

これは1967年にマルク・リブー氏が撮影した「花をもった女」(銃を持った兵士に花を向けた女性の写真)から着想したそうで、平和を求めなければいけないという思いからつくられたそうです。



[forest parade]は37種のレースのモチーフが繰り返されたもの。

刺繍されたレース生地からひとつひとつのモチーフを解放することはできないかと考えられたものだそうです。

長い間制作され続けられているため、今ではその準備と労力が報われ作り手と使い手が双方良い形になっている(TSUGU つぐ mina perhonen 図録より)のだとか。

以前、松居氏から「三方よし」という言葉を教えていただきましたがそれに通じるものがあるのかなと思いました。



[life puzzle]というテキスタイルは、以前、東京都現代美術館での「ミナペルホネン/皆川明つづく」展の会期中に大きな壁画として描かれたそうです。

モチーフの部分を白く浮かび上がらせるためにその隙間を埋めていくという逆転の発想。

即興で絵を描くと思考が入らない分ピュアになるんだそうです。

これ、絵本になったらおもしろそうですね。



1時間半は短すぎる。

講演会はあっという間に終了の時間になってしまいましたが、最後に参加者からの質問時間が設けられました。

・どうやって発想は生まれてくるのか?

・技術者としてテキスタイルを作っていく上での苦労は?

質問者に皆川さんは丁寧にお答えくださいました。



講演を聴いていて、皆川さんからは空想という言葉が何度も出てきました。

私たちは記憶をたどることがあります。

その記憶は思い出すたびに時間とともに変化しながら再編集されていき空想に変換されていくというお話はとても心に残りました。

空想の原点は記憶なのでしょうか。

最後に、絵本は空想を開く窓口で、空想の人生に気づかせてくれるものというお話で締めくくられました。



お帰りになる前にほんの少しだけ絵本館ホールに立ち寄り今回の展示をご覧になってくださいました。

絵本館ホールには松居コレクションの中に『三びきのやぎのがらがらどん』の作者 マーシャ・ブラウンから松居氏に贈られたメッセージ入りの絵本が展示してあります。

こちらも熱心にご覧になっておられました。


皆川さん、お忙しい中を空とこども絵本館にお越しいただきありがとうございました。

また、今回の講演会にお申し込みくださったすべての皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。

おかげさまで無事に講演会を終了することができました。

尚、特別展は11月8日(日)まで開催しております。

あと少しの展示です。どうぞ足をお運びくださいませ。



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