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活動テーマ「一歩ふみだす」にお寄せいただいた投稿

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『よあけ』

ユリー・シュルヴィッツ 作・画  瀬田貞二 訳  福音館書店

夜中に目が覚めると、それからなかなか寝付けないことがあります。

眠れない時間は不安な気持ちを抱えてあれこれと余計なことを考えてしまうものです。

時計を見る回数が増えて、頭のモヤモヤがピークに達したころには、空は白んでいるではありませんか。

すると、不安だった気持ちは朝を迎える喜びに変わっていくのが不思議です。

眠れなかったのに。

『よあけ』という絵本があります。

山に囲まれた湖畔でおじいさんと孫が夜を過ごすのですが、移ろう湖畔の景色と詩のように流れる言葉に静謐なひと時を感じます。

眠っていた湖畔が次第に少しずつ動き始め、鳥の鳴く声が聞こえると、おじいさんと孫は目を覚まし、身支度を整えます。

そして舟を押し出し、湖にこぎだした二人が目にしたものは・・・

大きな自然の懐に包まれ、小さな人間の営みは、ずっと続くのです。

​                             (松コレメンバー K)

​8  

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『がたん ごとん がたん ごとん』

安西水丸 さく 福音館書店

 

ある講演会で聞いた話の中にこんな説明がありました。

「この絵本は、赤ちゃんの食事の発達を表している」と。

 

表紙は誰も乗っていない汽車がきりっとした表情で進んでいきます。

がたん ごとん がたん ごとん

最初に乗ってくるのは哺乳瓶です。つまり、赤ちゃんの最初の食事はミルクです。

がたん ごとん がたん ごとん

次に乗ってくるのはコップとスプーン。これは離乳食ですね。

がたん ごとん がたん ごとん

そしてりんごとバナナが乗ってきます。

固形物が食べられるようになります。

汽車は満員になり食事の発達段階は終わり。

がたん ごとん がたん ごとん

ねことねずみが乗ってきます。

これは仲間と食べることを楽しむようになるということでしょうか。

裏表紙は赤ちゃんの食べたものが集まってにっこり笑顔ですね。

 

食事は生きていく上でとても大切です。その進みは一歩ずつ段階を踏んでいきます。

一歩ふみだしながらだんだん大きくなっていく赤ちゃん。その成長は赤ちゃんもまわりの人々も笑顔にします。世界中の赤ちゃんが笑顔でいられますように。そして見守る大人も笑顔でいられる地球でありますように。

                             (松コレメンバー M)

​7  

  『十二の真珠』

  やなせたかし​ 復刊ドットコム

 

 昨年の秋以降、体調を崩していた折、やなせたかしさんをモデルにした朝ドラ「あんぱん」の最終話を見る機会がありました。

 それが契機となり、無性にやなせさんご自身の94年の生涯について知りたくなり、

エッセイや絵本を手に取って貪り読むことになりました。

 その中の1冊が『十二の真珠』です。1話が400字詰め原稿用紙3枚で完結する大人向けのメルヘンが12編。今や子どもたちにとってなくてはならないヒ-ロー的存在のアンパンマンが、初めて登場する短編作品が納められています。

 なかでも私が感動したのは、格好よくないヒ-ローが誕生したことです。その根底には「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです。そしてそういう捨身、献身の心なくしては正義は行なえません…」とのやなせさんの揺るぎない信念が脈打っていたからです。

 そして、「ひとはひとをよろこばせることが一番うれしい」としたやなせさんの生き様が、アンパンマンの姿と重なって私たちの心に響いてきます。

 その後、アンパンマンはさまざまに形を変え、個性豊かな数多くのキャラクターと共に登場することになりますが、その第一歩をふみだした記念すべき作品です。

 ぜひ、本書に納められた珠玉の他の短編と併せてお楽しみいただければ嬉しいです。

                                   (次右ヱ門)

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 『あさになったのでまどをあけますよ』

 荒井良二 偕成社

 地域の児童センターで子どもたちのフラワーアレンジメントの

クラブを始めて今年が12年目、アレンジが完成したら、いつも絵本を読むおまけつきです。5月16日(土)児童センターでは「こどもまつり」が催され、たくさんの親子連れが集まっています。

今年の第1回目に選んだ絵本は『あさになったのでまどをあけますよ』

児童センターはこんもりとした森に囲まれていて、その日は高い木の間にロープが張られ、ほどよく吹く風にこいのぼりがたくさんなびいています。センターの“まどをあければ5月の空にこいのぼり…”

 絵本は「あさになったのでまどをあけますよ」と繰り返し語られ、それぞれの次のページには山や街や川や海の風景が優しい色合いでのびやかに描かれています。「きみのまちははれているかな?」と問いかけられて、思わず、答えたくなる。

 今日の絵本タイムは、皆で「はれているよ!」と元気に叫びたいくらい…。

 朝は毎日訪れて…、いろいろな朝があると思う、元気よく窓を開けられる日、もしかしたら窓を開けられない気持ちの日だってあるかもしれない…。

でも、そんな日にこそ読んでほしい、心の窓をそっとあけてもらったら…、新しい今日に一歩ふみ出す力が湧いてくるような気がする。

 今日のあなたの窓のそとの風景が、健やかでありますように! 

                          (松コレメンバー T)

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『とべ!ちいさいプロペラき』  

小風さち 作  山本忠敬 絵  福音館書店  

旅に出るのが好きです。飛行機に乗って遠い国に出かけることは、特に好き。

 初めての旅に出たのは、20歳の秋でした。機内までの通路を歩いていて、ふと目にしたのは傷だらけの滑走路です。幾本もの黒い筋が、重なったり離れたりしながらどこまでも続き、ところどころには深く抉られた跡も残る満身創痍の滑走路。どれほどの衝撃で飛行機が飛び立ち、あるいは着陸するのかを知らされ、心の底にずしんと響く何かを受けたことを覚えています。

 以来、飛行機は特別なものになりました。

 この絵本に出てくるプロペラ機は、まるで飛び立つのが私自身であるかのように感じさせてくれます。巨大なジェット機がつけた轍と、自分のそれとは比べものにならない。けれども、「げんきを おだし、プロペラくん。ひろい そらでは ぼくらの おおきさのことなど わすれてしまうよ」とジェット機に励まされ、小さなプロペラ機は滑走路に出て行くのです。

 高みに向かって飛ぶことも、目指すところに行き着くことも、簡単ではありません。けれども、一歩踏み出せば開けるものがある。いくつになっても、忘れないでいたいと思います。

                            (松コレメンバー O)

                  

          

    

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『あなたがおとなになったとき』 

湯本香樹実/文 はたこうしろう/絵 講談社

2008年にアンジェラ・アキさんの「手紙~拝啓十五の君へ~」という曲が発表された。前半は十五歳の自分が、思春期の気持ちを吐露する。次に大人になった自分が十五歳の自分へ贈ることばが綴られる曲。将来への夢と、同時に不安も抱いていた何ものでもなかった自分。その頃を思い出す一曲。

この本を手に取った時、再び10代の自分を思い出した。些細なことで傷つき、立ち止まり、ふと空を見上げる。そんな経験は誰にでもあるのでは?

「おもいがけない かなしみ/おもいがけない よろこび/人生はおもいがけないもので いっぱいの森」

そして時間が経って知る。越えられない山も、渡れない川もなかったと…。

あなたが大人になった時、「世界はすてたもんじゃない」と思ってもらえたら。そんな願いを込めてこの一冊を贈ります。

                           (絵本館スタッフ H子)

小松市立空とこども絵本館

<活動拠点> 小松市立空とこども絵本館ホール  夢の本棚

〒923-0918 石川県小松市京町19-5  TEL 0761-23-0033

絵本
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