活動テーマ「一歩ふみだす」にお寄せいただいた投稿
6月

『あさになったのでまどをあけますよ』
荒井良二 偕成社
地域の児童センターで子どもたちのフラワーアレンジメントの
クラブを始めて今年が12年目、アレンジが完成したら、いつも絵本を読むおまけつきです。5月16日(土)児童センターでは「こどもまつり」が催され、たくさんの親子連れが集まっています。
今年の第1回目に選んだ絵本は『あさになったのでまどをあけますよ』
児童センターはこんもりとした森に囲まれていて、その日は高い木の間にロープが張られ、ほどよく吹く風にこいのぼりがたくさんなびいています。センターの“まどをあければ5月の空にこいのぼり…”
絵本は「あさになったのでまどをあけますよ」と繰り返し語られ、それぞれの次のページには山や街や川や海の風景が優しい色合いでのびやかに描かれています。「きみのまちははれているかな?」と問いかけられて、思わず、答えたくなる。
今日の絵本タイムは、皆で「はれているよ!」と元気に叫びたいくらい…。
朝は毎日訪れて…、いろいろな朝があると思う、元気よく窓を開けられる日、もしかしたら窓を開けられない気持ちの日だってあるかもしれない…。
でも、そんな日にこそ読んでほしい、心の窓をそっとあけてもらったら…、新しい今日に一歩ふみ出す力が湧いてくるような気がする。
今日のあなたの窓のそとの風景が、健やかでありますように!
(松コレメンバー T)
5月

『とべ!ちいさいプロペラき』
小風さち 作 山本忠敬 絵 福音館書店
旅に出るのが好きです。飛行機に乗って遠い国に出かけることは、特に好き。
初めての旅に出たのは、20歳の秋でした。機内までの通路を歩いていて、ふと目にしたのは傷だらけの滑走路です。幾本もの黒い筋が、重なったり離れたりしながらどこまでも続き、ところどころには深く抉られた跡も残る満身創痍の滑走路。どれほどの衝撃で飛行機が飛び立ち、あるいは着陸するのかを知らされ、心の底にずしんと響く何かを受けたことを覚えています。
以来、飛行機は特別なものになりました。
この絵本に出てくるプロペラ機は、まるで飛び立つのが私自身であるかのように感じさせてくれます。巨大なジェット機がつけた轍と、自分のそれとは比べものにならない。けれども、「げんきを おだし、プロペラくん。ひろい そらでは ぼくらの おおきさのことなど わすれてしまうよ」とジェット機に励まされ、小さなプロペラ機は滑走路に出て行くのです。
高みに向かって飛ぶことも、目指すところに行き着くことも、簡単ではありません。けれども、一歩踏み出せば開けるものがある。いくつになっても、忘れないでいたいと思います。
(松コレメンバー O)
4月

『あなたがおとなになったとき』
湯本香樹実/文 はたこうしろう/絵 講談社
2008年にアンジェラ・アキさんの「手紙~拝啓十五の君へ~」という曲が発表された。前半は十五歳の自分が、思春期の気持ちを吐露する。次に大人になった自分が十五歳の自分へ贈ることばが綴られる曲。将来への夢と、同時に不安も抱いていた何ものでもなかった自分。その頃を思い出す一曲。
この本を手に取った時、再び10代の自分を思い出した。些細なことで傷つき、立ち止まり、ふと空を見上げる。そんな経験は誰にでもあるのでは?
「おもいがけない かなしみ/おもいがけない よろこび/人生はおもいがけないもので いっぱいの森」
そして時間が経って知る。越えられない山も、渡れない川もなかったと…。
あなたが大人になった時、「世界はすてたもんじゃない」と思ってもらえたら。そんな願いを込めてこの一冊を贈ります。
(絵本館スタッフ H子)
