2023年度は「ことばを食べよう」
以下の5つをテーマとし、2021年度から5年間かけて活動していきたいと考えています。
今年度の活動目標は「ことばを食べよう」です。
活動の5つのテーマ
□センス・オブ・ワンダー (2021年)
□ことばと生きる (2022年)
■ことばを食べよう (2023年)
□音読のすすめ (2024年予定)
□絵を読もう (2025年予定)
尾木沢館長から今年度のテーマ「ことばを食べよう」に寄せて
ことばを食べよう
何かを見つけて動作を止める。じっと眺めたあと手を伸ばし、振ったりなでたり転がしたり。そうして最後は口の中へ。なめては取り出し、かんでは取り出し、何度も口に運んで感触を味わいつくそうとする・・。新しいものに出会ったときの赤ちゃんの反応は、おおむね同じ経過をたどります。警戒心が先に立つ大人たちとは違い、赤ちゃんは無邪気に無防備に何でも口に入れ、舌で確かめることを選ぶのです。
そうやってすべてを舌で確かめようとする赤ちゃんたちは、ことばも丸ごと食べたいのだと、松居先生はおっしゃいました。「子どもはことばをそのままの形で口に入れます。そうして、体内に迎え入れたことばをよく咀嚼して、血や肉としていくのです」楽しそうに目を細めながら、繰り返していらっしゃったものです。
丸ごと口に入れたあと、じゅうぶんに咀嚼して血や肉となったものを新しく自分のことばに変えて、子どもたちは語ろうとし始めます。そのかわいらしいことばを聞いた大人たちが喜ぶのを見て、子どもたちも喜ぶ。ことばでつながるリレーの中に子どもたちも加わって、喜びの輪が広がっていきます。
心をこめて作る離乳食のように、響きの美しい、素敵なことばを選んで話しかけたい。そうして、子どもがそのことばを味わう様子を見守っていたい。いつの世も変わらない大人たちの願いです。
松居先生のお話を思い出しながら、私たちは今年のテーマに「ことばを食べよう」を選びました。ことばを楽しみつくす子どもたちにならって、ときには、大人たちもことばを食べてみてはいかがでしょうか。何度も何度も繰り返して味わいたくなることばたちを。心の奥底に届く、深くて美しいことばたちを。
投稿のお願い
今年はメンバーが月に1回程度集まり「ことばを食べよう」を話題とした楽しい会を持ち、随時その報告を掲載させていただきます。日程はお知らせにてお伝えいたします。メンバーの皆様のご参加をお待ちしております
そしてサイトを訪れた方々へのお願いです。
「ことばを食べよう」をテーマとし、みなさんにとってのくりかえし味わいたくなる「言葉」をぜひ教えてください。