活動テーマ「音読のすすめ」にお寄せいただいた投稿
2月

『たまごのあかちゃん』
かんざわとしこ・ぶん やぎゅうげんいちろう・え (福音館書店)
「たまごのなかで かくれんぼしてる あかちゃんは だあれ? でておいでよ」というよびかけに、生まれてくる赤ちゃんは、ひよこ、かめ、へびなど5種類の動物たち。5番目は
とてつもない動物?でビックリ‼よびかけの文と卵の絵が見開きでセットになっていて、次のペー ジをめくるのがわくわくする。めくったペ-ジには見開きで「ぴっぴっぴっ こんにちは にわとりのあかちゃん こんにちは」という言葉とともに、割れた殻から生まれたての赤ちゃんが姿をみせる。動物によって卵の大きさや数に違いがあるのもおもしろい。最後は赤ちゃんみんなで行進して、向かう先にはまた新しいお友達が・・・。リズミカルな文の繰り返しとシンプルな線の絵がとっても楽しい絵本。0歳児も夢中になること間違いなし!
私のお気に入りの 一冊です。
(松コレメンバーI・K)
1月

『もりのおふろ』
西村俊雄/作 福音館書店
森の奥で沸くおふろにまずライオンがやってきます。ライオンが体をきれいに洗っているところにゾウをはじめとする動物が次々とやってきて、前にいる動物の背中を「ごしごし しゅっしゅ ごしごし しゅっしゅ」という気持ちの良いリズムにのってごしごし洗います。お湯を「ざぶーん」とかけて、「どぼーん」とおふろにつかり、最後は「ごくらくごくらく いいきもち!」。気持ちよくおふろにつかる動物たちの表情から、温かさが伝わります。温かい所で過ごしたいこの時期に、リズムに乗りながら楽しめる絵本です。
(松コレメンバー H.F)
12月

『ちいさなもみのき』
マーガレット・ワイズ・ブラウン作/バーバラ・クーニー絵/かみじょう ゆみこ訳(福音館書店)
幼い頃からクリスマスの季節はずっと特別です。たくさんのオーナメントが飾られたクリスマスツリー、その隣で食卓を囲む家族の会話はとてもにぎやかなものでした。一方で街に流れるクリスマスソングやミサ曲は冬の寒さも相まってどこか寂しくもあり神秘的です。そんなクリスマスの温かさと静けさを、この絵本は美しい自然の描写やもみの木と男の子の触れ合いを通じてしみじみと感じさせてくれます。北国の森の香りがただよってくるようで、終盤のクリスマスキャロルを歌うシーンは幸せであふれています。楽譜も付いているので、ぜひ子どもに歌って読み聞かせてあげてほしい。その記憶が、絵本の中の男の子がそうであったように、成長してもクリスマスに思いを寄せることにつながると思うのです。
(松コレメンバー R.K)
11月

『たくさんのドア』
文 アリスン・マギー 絵 ユ・テウン 訳 なかがわちひろ 主婦の友社
毎年卒業・入学の時期。送る言葉を本から探しています。今年選んだのはこの本でした。
あなたの心のドアをあけたとき見つけるのは不安ですか?わくわくですか?それとも、
まだ見つけられない気持ちたちですか?答えは自分では見つけられないのかもしれません。
それでも大地はあり、大空も海も広がっている。わたしもあなたもそこに守られていることに
そっと気づかせてくれます。まだみつけていないドアをあなたもあけてみませんか?
たくさんのやさしさがみつかりますように… (松コレメンバー S)
10月

『どろぼうがっこうだいうんどうかい』 かこさとし/作・絵 偕成社
運動会の音楽や歓声が、風に乗って聞こえてくる季節です。 「やま また やまの おくやまの むらはずれにある どろぼうがっこう」でも、年に一度の大運動会が開かれています。ドル箱を抱えて走る「ドルばこリレー」に、「どろぼうぐみ」が「けいかんぐみ」を追いかける「ぎゃくどろけい」…。ユニークな競技に選手も観客も大盛り上がり。「あお かつように!」「あか かつように!」のリズミカルな声援と、どろぼうがっこうの校歌や応援歌。子どもも大人も声を出して、体も動かして音読を楽しめる一冊です。
(松コレメンバー H)

『ロージーちゃんのひみつ』
モーリス=センダック/作・絵 なかむら たえこ/訳 偕成社
子どもの頃、センダックのロージーちゃんのひみつが大好きでした。絵本と呼ぶには絵が少なく、絵本と児童書のあいだのような本で、まだまだ長い本を自力で読むのは難しい年齢の頃から母によくよんでもらいました。 絵本ほど挿絵が多くないため、ロージーちゃんたちの繰り広げる謎のごっこ遊びに想いを馳せ、自分でも毛布やタオルケットを被り、まだあまりストーリーをわかっていないような妹を巻き込み、いつもロージーちゃんごっこに興じていました。 娘が少し大きくなってきたら読んであげたいと思っていて、これまでは「きみなんか大嫌いさ」や、「まよなかのだいどころ」など、センダックの他の絵本をよく読み聞かせていましたが、だいぶ絵が少なくても想像しながらお話を聞くことができるようになってきたので、今年はロージーちゃん、よんでみたいと思っています。
(なりきりロージー)
9月

『ふくろうくん』
アーノルド・ローベル/作 三木 卓/訳 文化出版局
涙で入れたお茶を飲みたいふくろうくん。ひざの上にゆわかしを置いて、悲しかった出来事を思い浮かべます。思い出すたびに、涙がころん…。さて、ふくろうくんはたくさんの涙を集めることができたでしょうか?そして、涙で入れたお茶はいったいどんな味がするのでしょうか?
この「なみだのおちゃ」の他にも、短編が4つ。どれも読み聞かせにぴったりです。
優しくて少しおっちょこちょいな、ふくろうくんのお話をお楽しみください。
(絵本館スタッフ N)
8月

『なつのおとずれ』
かがくいひろし作・絵(PHP研究所)
気象予報士のかたつむりが「梅雨明けはもうすぐでしょう」と伝えました。すると太陽が「もうすぐ梅雨明けですか。そろそろみんなに知らせますか」と立ち上がりました。
メロン、スイカ、セミ、カブトムシなどなどが何かに呼ばれたように思い、夏に向かってまっしぐらに走っていきます。
物語も楽しいですが、オノマトペが勢いよく、読んでいるとワクワクしてきます。
声に出して読んでみて下さい。夏が好きになりますよ。
(絵本館スタッフ K)
7月

『しあわせになあれ』
弓削田 健介/詩 松成 真理子/絵 瑞雲舎
この絵本のタイトル“しあわせになあれ”はすべての人の名前にこめられた願いです。
最後に書かれた作者さんからのメッセージ通りに“名前の大実験”をしてみました。
この絵本を読む前に目を閉じて、心の中で自分の名前を何度も読んでみました。
不思議なものです。私の名前を呼んでくれるいろんな人の顔が浮かんできました。
今そばにいる大好きな人や、もう会うことのできない大切な人までも…。
ぜひみなさんも大切な人と“名前の大実験”をした後、この絵本を読んであげてください。
そしてしあわせになってねという温かい気持ちを声で伝えられるといいですね。
(絵本館スタッフ I)
6月

『三びきのやぎのがらがらどん』
ノルウェーの昔話 マーシャ・ブラウン/絵 瀬田貞二/訳 福音館書店
がらがらどんは、三匹のヤギの名前。ヤギたちは、山の草を食べにやってきましたが、山へ行くには恐ろしいトロルがいる谷川の橋を渡らなければなりません。ヤギたちは知恵を使ってトロルをやっつけます。ノルウェーの有名な民話の絵本です。ぜひ声に出して読んでみてください。
(絵本館スタッフ S)
5月

『きょうはみんなでクマがりだ』
マイケル・ローゼン/再話 ヘレン・オクセンバリー/絵 山口文生/訳 (評論社)
イギリスのあそび歌をもとにした絵本です。
あそび歌だけあって、口ずさみたくなるリズミカルな文章がテンポよく書かれています。
「きょうはみんなでクマがりだ」「つかまえるのはでかいやつ」
「そらはすっかりはれてるし、こわくなんかあるもんか」
「カサカサカサ」「チャプチャプチャプ」などの擬音語もあって、声に出して読むと楽しい絵本です。 (絵本館スタッフ K)
4月

『おおきなかぶ』 A・トルストイ/再話 内田莉莎子/訳 佐藤忠良/画 福音館書店
かぶを引き抜く時のかけ声「うんとこしょ どっこいっしょ」は、まさに魔法のフレーズです。一度聞いたらすぐに覚えて真似したくなります。
絵本を声に出して読んでみてください。まわりの人もつられて「うんとこしょどっこいしょ」の大合唱がはじまることでしょう。 (絵本館スタッフ Y)