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​私と絵本

 絵本にまつわる物語・・・メンバーの思い出

幼いころに読んでもらった絵本の数々。いつ、誰に読んでもらったのか? 読んでもらったときの情景は? 心に残った言葉や絵は? そんな絵本にまつわるさまざまな記憶を、メンバーたちが綴っていきます。それぞれの心に深く刻まれた温もりの記憶に、耳を傾けていただければ幸いです。

​その2

「おはなし好き」                    

子ども時代の本にまつわる思い出をふたつ。

ひとつ目は、物心ついてしばらくしてからの保育所時代。月間絵本の中に「かもとりごんべえ」のおはなしがあった。

あらすじを途中までいうと、一日一羽のかもを獲るだけでは飽き足らないごんべえさんが、百羽のかもをいっぺんに獲ろうと計画する。しかしあと一羽のところで罠にかかったかも達が一斉に飛び立った。自身もかもと一緒に大空に引き揚げられ困っているうちに、命綱がプツンと切れた。地面にまっさかさまと思いきや、なんと自身がかもになって空を飛んでいることに気づく。

 

その絵が子ども心に衝撃的だった。頭は人間で体はかもの姿。ごんべえさんの目から涙がぽろぽろ。幼い子どもに「うそ」や「本当」の概念はないからリアルに迫ってきた。後年この絵本の画家が武井武雄と知ったのは、空とこども絵本館で開催された氏の生誕120年.展で購入した書籍からだった。母は当時の絵本を大切にとっておいてくれて、今は私の手元にある。

ふたつ目は小学校高学年の頃。外遊びも好きだけど読書も好きだった。5年生の1学期までは木造校舎だったが、図書室によく出入りしていた。その図書室の奥の壁一面が背の高い本棚になっていた。お目当てのその本は、ずらっと並んだ書棚のまん中あたりで、容易に手が届く位置に10数冊揃っていた。書名に「くじゃくいろ」とか「ねずみいろ」とか「ばらいろ」といった色の名前がついた童話集だった。地味な装丁で文字もびっしり書かれたその本は、貸出カードを見る限り、あまり貸し出されていなかったけれど、私は夢中になって読んだ。知らない外国の昔ばなしに想像力をかきたてられ、行ってみたいと憧れた。今回この原稿を書くにあたってその本をインターネットで調べてみるとあった‼

およそ50年ぶりの再会だ。「ラング世界童話全集」というのが正式な書名で、小学生当時全12巻が出版されていた。アンドルー・ラングという人がヴィクトリア朝のイギリスで編纂した古典童話集とのこと。日本では川端康成校閲、野上彰訳で出版された。今から思うと外観も中身も子どもに媚びない作りで格調高かった。

ふたつの思い出を振り返ってみると、子ども時代に本物に触れられたことはすごく幸せだった。

本の存在が再び身近になったのは、子どもが生まれて絵本を読み聞かせるようになってから。毎晩子どもと一緒に絵本を楽しむのが日課になった。当時を思い出すと、貴重な宝物のような時間がゆったりと流れていた。

そういう楽しみを味わうと、やがていろんな子どもたちと共有したくなったのか、小学校での読み聞かせ活動に発展し、絵本の他に紙芝居も加わって活動の幅が広がってきた。最近は昔ばなしの語りも始めて、「おはなし」という素材にいろんな方向からアプロ-チして、それぞれの良さを味わっている。

こうして振り返ってみると、私はやっぱりおはなし(物語)が好きなんだと今さらながら思う。気づくのがちょっと遅いくらいかもしれないけど。                        (メンバー I)

我が家の子どもたちが大好きだった絵本に「じごくのそうべい」があります。

地獄に落ちたそうべいたち4人がそれぞれもっている知恵や得意技で鬼達を困らせていく痛快な上方落語の絵本、文章は関西弁です。子どもたちのお願いで遊びにきていた大阪の友達に読んでもらい、絵本でこんなに笑ったことがないくらい大笑いした思い出の絵本。本場の関西弁だと面白さが倍増するなと感心した一冊です。

                                         (メンバー O)

小松市立空とこども絵本館

<活動拠点> 小松市立空とこども絵本館ホール  夢の本棚

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